花瓶の様なキャンドル ー 余裕 ー

2011年11月6日 日曜日

デザイナーズウイークに出展をしている、今回のGreenbecksことMasaのテーマ「余裕」キャンドルのご紹介をさせていただきます。






それは、花瓶の様なキャンドルです。











毎日お花にお水をあげる様に、毎日火を灯すということは、「余裕」が無くてはできない事。
忙しい毎日を送る人でも、毎日10分でも、たとえ3分でも、そんな時間を持って欲しい。

そういった想いをこめて、お花を生けることができるキャンドルがであがりました。






この花瓶の様な形を作る方法はいろいろあると思いますが、Masaが選んだものは「木工旋盤」でした。


メカニックという仕事に携わり、そして身についたMasaの加工技術と、大工だった祖父から受け継いだ刃物を使い、自分のインスピレーションで木材を削り出す。








もっと良い方法はいくらでもあるのだろうけど、今現在のMasaにとって、一番適していて、一番想いの乗る方法だったと思います。





削り出し直後の、マスター型。
愛着もひとしおです。














これをベースに作ったキャンドル達。














くびれと、ふくらみ。















女性の様な丸み、男性の様な硬さ。

有機的な表面質感。







今回は、何ヶ月も前から作りたかったものを、1ヶ月くらいかけて作りました。

型も、7回の作り直し。


でもこんな回数なんて、掃除機「dyson」ジェームズダイソンの話を聞くと、とても恥ずかしくて言えません。








あの斬新な掃除機が生まれるまでの話。





「私は素朴な材料を使って最初の試作品を作ってみた。ダンボール紙やダクトテープからABSポリカーボネートまで、うまく行くまでには15年という時間がかかり、5127台の試作機が作られた。そして、その後もやるべき仕事はたくさんあった。最初の製品『DC01』は1993年に市場にデビューしたが、その後もさまざまな改善が続けられており、現在はDC35が販売されている。

それは決して終わりのないプロセスであり、非常に満足が行くとともに、常にフラストレーションと共にある日々だ。

発明家がアイディアをあきらめそうになる時は、数えきれないほどやってくる。15台目の試作機ができた時には、3人目の子供が生まれていた。2627台目の試作機のころ、妻と私はまさしくカツカツの生活だった。3727台目の試作機ができたころ、妻は生活費の足しにするため美術教室を開いていた。つらい時期だったが、ひとつひとつの失敗によって、問題の解決に近づくことができた。苦闘を価値のあるものにしたのは、最終的な試作品ではない。プロセス自体が意味を持っていた。私はただ努力を続けたのだ。」







すごいですよね。

この「dyson」、絶対に「本物」ですよね。
5127回も改善したんですよ。


ものつくりなんて、ハッとひらめいてパッと作るものばかりじゃない。

今回のデザイナーズウイークで、いろいろな事を学べたけど、ダイソンの逸話には、モチベーションが上がりました。




今回の花瓶の様なMasaのキャンドルも、まだ7回目の改善しかできていない状態ですが、これからもどんどん改良を重ね、バランスやクオリティをはじめ、様々な箇所を改良して、本物へと磨きあげていきたいです。






この花瓶のキャンドルは使っていくと、上部の細い部分から溶けてゆき、













こんな、丸いキャンドルへと成長していきます。



このまま使い続けていただいても構いませんし、真ん中にできたくぼみに、カートリッジの様なティーライトキャンドルを入れて、キャンドルホルダーとして使い続けていただく事も可能です。












今後も、来年1月から販売ができる様に準備と改良を進めていきたいと思います。


乞うご期待。