朗読劇「蝋燭朗読中目黒」
2014年8月15日 金曜日
脚本家の坂元裕二さんの朗読劇「蝋燭朗読中目黒」で、キャンドルの演出をさせていただきました。
お恥ずかしながら、当初「朗読」というと、読み手が淡々と文字を読む事を想像していました。
しかし、やはりそれは「朗読劇」。
役者さんが演じるものであり、「不帰の初恋、海老名SA」「カラシニコフ不倫海峡」という2冊の台本を自分で読んだときと、実際にそれぞれ役者さんが読んだお話では、世界が大きく変わります。
それこそ、同じ演目を違う役者が読めばまた違い、同じ役者さんでも1回目と2回目ではまた違いと、稽古中から本番の四日間と、何度も何度も同じお話を聞いていましたが、毎度新鮮な気持ちでお話の世界に入っていく事ができました。
聞けば聞くほど、文章や単語、という一つ一つが、大切なものに思えてくる、とても丁寧な時間でした。
キャンドル装飾も、台本を読んで打ち合わせをして決めていったデザインも、稽古での役者さんの演技をみてから、訂正を入れました。
朗読と言えども、そこに、ちゃんと世界があって、登場人物の想いがあって、動きがあって、そういう事を自分なりに演出させていただきました。
寄り添う二人の想いと、近づききれない現実。
運命の流れに、逆らう事のできない人たちの人生と、戻らない時間。
虚無感とあたたかさ。
舞台は、役者さんが、手元のろうそくに火を灯し、話を始めます。
四日間灯しつづけ、ロウは燃料として燃え、溶けては垂れていき、どんどん短くなるろうそく。
キャンドルにもう1つの命を与えてくれた「照明」。
話の流れにあわせて、微妙に変化する様々な照明は、いつでもキャンドルの灯りを殺す事なくキャンドルをよりきれいに照らし、舞台全体に変化を与え、絶妙な演出でした。
合計96個の裸火をシアターで使うための消防申請を難なくパスできたのも、優秀な舞台監督のおかげでした。
毎夜の坂元さん達みなさんとのご飯も、普段聞けない舞台裏のお話などとても楽しかったです。
ご縁に、感謝します。
ありがとうございました。
★SAKUさん、TOMOMIさん、設営ありがとうございました!★
脚本、演出:坂元裕二
【スタッフ】
照明:鈴木雅貴/キャンドル演出:高橋成彰 Greenbecks
演出助手:松森望宏/舞台監督:南部正憲・岸川卓巨/絵:平野淳/宣伝写真:菊池修/宣伝美術:古谷哲史
【主催・企画制作】
MAパブリッシング、ユロ
【オフィシャルサイト】
http://www.ma-field.com/map/rousokuroudoku