久々の旅
2017年5月19日 金曜日
普段から、出張ばかりであちこちに行くわりに、海外にしばらく行けていなかったので、2週間ほど旅をしてきました。
ロンドン行きの飛行機は、結構北側のルートを飛ぶので、永久凍土が見れました。
地球離れした景色です。
エジプト好きな私にとって大英博物館は楽しみでした。
でも、見てみれば、盗掘と破壊と略奪の上、この場所に展示品の数々があるのかと思うと、複雑な想いに。。
念願のレ・ミゼラブルの舞台。
はっきり言って、想像を超えるクオリティでした。レベルの高いプロフェッショナルの仕事ぶりに、深く深くリスペクト。
誰でも立てる舞台じゃなくて、本気の競争に勝ち残ったアーティストがそこにいて、そしてその妥協を一切許さない監督がいて、出来上がる空間。
まずそれがよかった。
もう一つ、舞台人は、素敵なお仕事だと改めて思った。
多分7年くらい前になるけど、ある人に、
「もしあなたが、お金と、時間と、才能が有り余っていたら、どんなことをしますか?」
と言われて、
「歌手か踊り手」
と即答した自分を思い出した。
僕なりの理由は、
言葉も、国も、文化も、性別も、年齢も超えた領域で、道具もお金も使わず、物質的には自分の体だけを使い、そこにいる誰かを喜ばすことができるから。
僕には、お金と、時間と、才能が有り余ってるとは言えないけど、表現者としての自覚は持っている。
改めて、何のために生きるのか。
自分のお仕事に誇りを持っていきたいと感じた。
地中海コートダジュールのニースから絶景のエズへ。
車が好きすぎて、仕事にしたほどドライブ好きの私にとって、コートダジュールのドライブは憧れでした。
どの古い町も、その土地にある石なり木なりの材料で建築をするので、その土地の植物や地形と、とてもよく合います。
今のように物流があると、ある意味自然にそぐわないものもたくさんできてしまう。
聞いてはいましたが、地中海、空の青さは素晴らしかった。
そんなエズからほど近いMonaco。
言わずと知れたF1、いや、モータースポーツの聖地。
よく考えれば、私もF1を観るようになって、もうすぐ30年。
ちょうど2週間後にグランプリの開催ということで、F1のコース造りの準備の進むモナコの街中を走るべく、朝早起きして、レンタカーのプジョーでコースどおり、2周半を走行してきました。
それこそ、中学生くらいのときから、いつか絶対行きたいと思っていたところだったので、本当に、本当に嬉しかったです。
イタリアの水の都、ヴェネツィア。
この島に来て二日間、ずっと溜息をついています。
元々一千年続いていた高貴な共和国だった街だそうですね。
知りませんでした。ちょっとやそっとの観光地かと思ってました。
違うじゃないですか。
思っていたよりも全然広いし、どこもかしこも一分の隙もないじゃないですか。
こんなに長い時代を経てきたのに、今もそのままの街で生活をしているじゃないですか。
不便さなんて微塵も感じずに、数万人の島民はこの島を愛しているじゃないですか。
水上バスもあれば、インターネットも、街灯もある。
でも、この街は、古く、美しすぎるのです。
もう二度とこんな街は生まれないし、そもそも作れません。
僕はまだ世界を多く知りません。
この街より美しい街はあるんでしょうか。
溜息が止まりません。
今度は、アクアアルタの時にまた来ます。
ベネツィアの後、ミラノに行く予定でしたが、そうすると、その後のスイスに行く日が、曇りになるかもしれない、と。
ということで、潔くミラノを諦めました。
ミラノさん、ごめんなさい。
ダ・ヴィンチの最後の晩餐がマッターホルンに劣っているというわけではありません。
そこまでしてでも晴れた空で見たかったマッターホルン。
かっこよかった、、という一言ではチープかもしれないけど、360度パノラマのゴルナーグラートからみる数々の4000M級の山々の中でも、ダントツでイケメンでした。
エッジの効いた男の子。左にある、モンテローザはふんわり女性。
この、マッターホルンというかっこしい形をした、雄々しい山一つで、麓のツェルマットの街や、それだけでなく、スイスに、どれだけ経済的に潤うものなのか、計り知れません。
すごい資産です。
スイスが永世中立国という特殊なポジションにいて、民度が高く、裕福で、幸福度も高い理由。
私はよくまだわかっていません。今後調べてみたいです。
もちろんこれには教育とか、経済面のことが影響をしていると思います。
でも、多分、国のシステムだけじゃこうならない。
個人的には、この豊かな自然があったからなのでは、と思っています。
山に感動し、このあとまたフランスに戻りモンブランを観にシャモニーに行き、レマン湖沿いに泊まりたいなあと地図を見ていたらevianという見慣れた文字が。
偶然に見つけたevianの街は、本当にエビアンが湧き出ていて、パッケージに書いてある三つの山もそのままでした。
フランス、ブルゴーニュの古き良き街、ヴェズレー。
十字軍に関連する街ということで、今回改めてキリスト教と、十字軍を勉強しなおし。
今現在も起こり続けるイスラムとキリストの聖戦。
この深い因縁が終わる日が来ることを望みます。
マグダラのマリアの聖遺物があったとされる聖堂で。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼地のホタテ。
それにしても、
フランスは、本当に農地が多いです。
高い食料自給率に納得。
初めてのパリ。
一度足を運びたかったモネのオランジュリー。
駅の電話。
街のいたるところの道端で座るシリア難民に心が傷む。
全てを失い国外へでた彼ら。
日本にいると考えられないけど、今起こってる事。
灼熱のインドへ
8年ぶりのバラナシ
8年ぶりのお気に入りの宿
生と死がすぐ近くにある場所。
水の都ベニスとも通じるところを感じる小道の多いこの街。
テムズ川のロンドン、セーヌ川のパリ、地中海のモナコ、運河のベニス、そしてここガンジス河のバラナシと、人は水の近くに良い街を築く。
モンスーン前で、河は穏やか。
案の定の酷暑。
スパイスと汗。
ラストナイトを迎。鏡を見たら、目玉がキラキラ。
充電完了ということですね。
新しい仕事も生まれそう。
帰国後、適度に力の抜けた馬車馬のように猛アタックします。